4.30.2010

ヤマダ電機がジャックされる・・・

明日より本のCMがヤマダ電機に流れます!

5月1日~5月7日まで。
15秒間です。

なんと僕の顔がアップでw

テレビ売り場のたくさんのモニターに、
一斉に迫力のあるアップが映し出されます!

休日の家族連れでごった返す中、
気分悪くならないか心配w

どのタイミングで流れるのかは分かりませんが、
関東近県の50店舗で流れるようです。

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4.25.2010

3D映像で頭痛することの考察

3D映像が主流となる日は
そんな遠いことではないようです。

映画で話題になったと思いきや、
すでに3Dテレビが売り出されました。
近年、製品化の速いこと!

液晶テレビが当たり前になったのは
つい昨日のことでしょ???

時代は変わる・・・
流れに乗るのか、乗らないのか、
選択は自由。
乗らないことで先回りすることもある。
だからしっかりと感じて、選択していこう。

さて、3Dで頭痛することがあると
最近よく聞きます。

一説によると、
3Dでは背景がぼやけていなく、
はっきりとしているので、
鑑賞者がどこに視点をおいていいのか分からなくなり、
認識に混乱を起こし、頭痛を引き起こすとのこと。

回避するには、
ストーリー展開を素直に追っていくことらしいです。

よそ見するなってことw

まあ、それだけではないと思うんです。

これまで動画は枠内に収まった2Dを観ていました。
枠の中、しかも平面なので、
静止画の延長でそれらを認識します。
アニメなどはまさに静止画をパラパラめくるという、
原初的な作業で動きを付けていきます。

原初的とはいえ、
最初それを見たときは驚いたことでしょう。
もしかしたら頭痛もあったかもしれません。

それまで培ってきた視覚の認識。
その空間把握に突如として、
動きのある、バーチャルな空間がもたらされたとしたら、
脳がパニックを起こすに違いない。

ましてやテレビが出たころの、
平面での空間認識ならば、
まだ客観的な距離感が存在する。

しかしそれが枠を超えて、
立体として空間に浮かびあがるならば、
客観的距離感がぐっと縮まり、
これまで捉えていたリアルな世界の視覚に、
擬似的な世界が加わることになります。

それがリアルな世界と同じように、
普通の動きをしているならまだしも、
超人的に飛んで跳ねて動きが超高速だったりすると、
必然的に脳がバグを起こす・・・

慣れるまでに時間がかかるでしょう。

ここまで来ると、薬がそうであるように、
十年後の副作用すら心配してしまいます。

バグを起こすと同時に
脳がその処理をするために
新たな回線を繋ごうとしゃかりきに働くわけです。

あまり良い覚醒ではありませんね。

少なくとも3D映像を見た後は
すぐに寝ることは不可能でしょう。

不眠の悩みが一つ増えてしまう・・・

視覚的バーチャルは既にリアルを捉えようとしています。
そこに他の五感が加わるのならば、
どんな世界が出現するのだろうか?

技術的にはできるのでしょう。
全ては脳への信号なのですから。
技術が紡ぎだす、
リアルとバーチャルのインターフェースは、
人間が今、取り戻そうと試みている、
自然環境と人間を紡ぐインターフェースよりはるかに速い!

夢と現実の境が溶けだすように、
リアルとバーチャルの境が混乱してしまうような病気が、
映画の中での出来事ではなくなる日が来るかもしれない。

技術の発展は、
倫理、健康をはるか後方に置き去りにします。

その時に大切なものは何か?

それは身体の声をしっかりと聞けていること。
身体はうそつきませんから。
今からしっかりと訓練していきましょ。

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4.23.2010

本当にあった!

見つけちゃいました・・・!!

六本木の本屋さんにて
「ビジョンクエスト~人生のミッションを探せ」発見。

                      携帯で隠し撮り。
                        縦に並んでいる棚の真ん中あたりです。

まさか自分の旦那さんの本が書店に並ぶとは
思っていませんでした。

4年間、めげずに書き続けたKazooさん、
お疲れさまでした。
そしてあらゆる面で支え、応援してくださった友人の皆さま、
本当に感謝しています。

せっかくの表紙が縦並びだと隠れてしまうので、
隙間をつくってうまくズラし、表紙を見えるようにして
そそくさと書店を出てきました。w

若いときの無鉄砲さが前面に出た旅の本ではあるけれど、
今のKazooさんになった軌跡や哲学を
感じられる本だと思います(妻バカですみません!)。

たくさんの方に読んでもらえることを願っています。

           

                     ウチの近くの本屋さんでも発見!表紙見えてました;


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4.20.2010

本日発売!

4月20日
こんな因縁な日に・・・

本日
ビジョンクエスト~人生のミッションを探せ
が発売されました!!!

是非是非
手にとって、読んでみてください。

4年前、
なぜ書こうと思ったのか?
この動機が思い付かない。

ただ、始めていた。

今となってみれば、
後付けで動機はある。

これからやっていくことの布石。

これをもって世の中に、
自分の描く世界観を響かせていこうという意気込み、決心。

将来の子供たちのため・・・
さまよえる少年、少女のため・・・
今を見失っている人たちのため・・・

「渇き」
を潤していこう。

そんな心境です。

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4.16.2010

命は廻る

さてさて、発芽の季節がやって来ました!

だけど、今年は春の到来がはっきりしない。
ためらっているような・・・
桜前線は通過したというのに。

野に自然に生えてくる草花は、
機を見計らって顔を出してくるでしょう。

しかし農はためらっていられません。
いつもと同じように淡々とやっていくだけ・・・

とはいえ、今回は二回目。
まだまだ初心者のようなものですが、
今回は去年の種から芽出しをすることが
前回と大きく違います。

命の引き継ぎ・・・

一昨年、稲作に触れて以来、
どうにか米さんと親密になりたいと思っていました。
去年一年を通して触れたことにより、
より身近になりました。

そして今年。
命を引き継ぐことによって、
より馴染みが深くなります。
良い関係だな~。

身体に良さそう!

先日発芽させるために
種を選別して、消毒し、
水に浸けました。
詳しくは去年のを参照して下さい。

さてさて、今年も稲作が楽しみになってきた。


                今回は1数%の塩分でやってみました。


                     浮いてきたのは死んでいる米

                     網ですくいます

                  水に浸けて、芽が出るのを待ちます。

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4.15.2010

twitter

二回りくらい遅れて始めました。

いつも乗るのが遅め。

使い方が不慣れなもので・・・
とりあえず仲間に入れてくださいw

ユーザー名
kokoronotsuki

です。

よろしく~

4.11.2010

出版します!

実は、実は・・・

4月23日に本を出版します!!!

「ビジョンクエスト~人生のミッションを探せ」

幻冬舎ルネッサンスより発売となります。

実に4年という長~い歳月。
何度も何度も打ちなおして、
ようやく形にすることができました。

モノを制作するのには
膨大なエネルギーが必要だということを知らされました。
世に出すのだから、中途半端じゃいけない・・・

これは僕の旅の物語です。

グレートフルデッドでの成人式
殺人者との旅
予言者との出会い・・・

自分は何者で
どこへ向かおうとしているのか?

これを自己同一性といいますが、
僕も同じようにこの道を歩み、
不思議の国に深く迷い込んでいきました。

時にはホームレスを体験し、
一人山中でビジョンクエストを決行したりしました。

無我夢中で不思議の国から脱出を試みていたのですが、
その後バイクの事故で片脚が不自由になります・・・

つづきは本を読んでくださいw

手前みそですが、
面白く、毒味の効いたものとなってます。

そして、今後の活動の布石ともなっているので、
これからの実践も是非楽しみにしてください。

今後ともよろしくお願いします。

カズ

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4.07.2010

妊娠中のセルフケア

本日は田中マイコが書きます。

そろそろ妊娠7カ月目。
私が行っている自然療法・セルフケアをご紹介します。
注意:ここで書いたものは私には合っているものですが、

    身体の反応は人それぞれです。
    ご自分で試しながら、自己責任でケアされてください!

<ハーブティー>

妊娠中に不足する葉酸、鉄分を補うネトルと
母乳の分泌を促すラズベリーリーフの
ブレンドティーを飲んでいます。
ハーバリスト(ハーブの専門カウンセラー)・
對馬さん(フィトナチュラ代表)にいただきました!

<妊娠線予防オイルトリートメント>
スイートアーモンドオイル(キャリアオイル)に

ラベンダーとマンダリン(エッセンシャルオイル)を混ぜました。
私が参考にしたオイルのブレンドレシピは
これにジャスミンかネロリを足すものでしたが、
私はジャスミンの香は苦手で、ネロリは高価!なので、
ひとまず2種類だけにしました。
皮膚の再生を促すローズウッドやフランキンセンスも良いです。
私はお腹の大きくなるスピードはゆっくりのようですが、

皮膚を柔らかくしておくことで
妊娠線ができにくいように願いながらマッサージしています。

<母乳マッサージ・会陰のオイルトリートメント>
カレンデュラオイル(キャリアオイル)を使っています。

助産院での指導はまだなので、本やネットを見ましたが、
やり方は正しいのか・・・??
20週を過ぎたら始めると良いそうです。

<足裏・ふくらはぎのマッサージ>
最近、「脚がむくむ」という感覚が出てきました。

自分で手軽にケアできるので、
セラピストやっていて良かったなぁとつくづく思います。
そして旦那サマが整体師で本当に助かります!!w 
少しの不調のときにリセットできるので、
元気でいられるのだと思います。

同時に、なかなかボディケアを受けられない妊婦さんたちが
もっと気軽に身体のメンテナンスができるよう、
今後考えていきたいと思います。
こころの月では安定期以降の妊婦さんの施術も承っています。

私は妊娠線予防で作ったブレンドオイルを使っています。
本来、むくみ対策でよく使われるエッセンシャルオイルは、
老廃物を流す力の強いもの、
例えばジュニパー、サイプレス、フェンネルなどになりますが、
ちょうど妊娠中に避けた方が良いオイルとかぶります。
グレープフルーツやレモンは良いですが、
柑橘系は光毒性(日に焼けやすくなる)があるので、
昼間の使用は注意しましょう。
女性ホルモン様作用をするオイル、

ゼラニウム、ローズ、クラリセージも妊娠中は避けましょう。

妊娠中のアロマテラピーについては
芳香程度なら神経質になる必要はないでしょうが、
肌につけるためのブレンドオイルはよく調べてください。
また、濃度も薄めをお勧めします。
私は施術では2%ほどの濃度
(20mlのキャリアオイルに対し、エッセンシャルオイル8滴)
で作りますが、妊娠中使用するものは1%以下にします。
自然のものとはいっても、
エッセンシャルオイルは成分が凝縮されています。
身体に対しての余剰分は肝臓で処理することになります。
ただでさえ、栄養を2人で分け合っているときで
繊細で敏感な身体・・・刺激は少なめにした方が無難でしょう。

<びわ葉化粧水>
春に再発する持病のアトピーか

妊娠中になりやすい皮膚トラブルか、
乾燥とかゆみを伴う発疹が出ています・・・
私は敏感肌なので、
基礎化粧品を色々試すことも躊躇してしまいます。
そこで、以前自分で作ってみて肌に合った
「ビワ葉化粧水」で保湿することにしました!

ご近所さんにビワの葉をいただき、
よく洗って葉の裏の細かい毛をブラシで落とします。
そして葉を細かく刻み、お湯を沸かし5分ほど弱火で煮て、
火を止めたら蓋をしたまま冷めるまで待ちます。
グリセリンを少し足し、完成です! 簡単~
1日目から肌のザラザラ感が和らいだことがわかりました。
かゆみはストレスになるので、もっと早く作れば良かったです。

<目の温湿布>
<手首・足首ゆるめ>
私が通っている治療院で勧められました。

これらが、骨盤まわりの筋肉の緊張を除き、
骨盤が開く動きをスムーズにしてくれるとのこと。

自分が施術をしていて、多くの方に共通することがあります。
考えごとが多かったり、やることをたくさん抱えている
クライアントは、頭皮が硬い!
そして背中の張り方も特徴的です。
簡単に言えば緊張性の硬さがあります。
パソコンなどで目を酷使している方も頭皮が硬くなります。
目の周りの血行を良くすることは
目の疲れを取り、頭も緩め、神経も休ませることに
つながると思います。

頭の緊張が取れると、骨盤も柔らかくなる。
実証するのは難しいかもしれませんが、感覚的に納得。
なにより、寝る前にまぶたの上にホットタオルを置くと
理屈じゃなく、ほぅ~っとします!!
また、末端を動かすこと、関節の通りを良くすることは

身体全体の温度を上げるのに有効です。

これらは妊娠中でなくてもぜひお試しください。
よく眠れると思いますよ。

以上、色々書いてみましたが、
これらは私も見聞きしたものを試している段階です。
今の方法や使っているものが本当に良いのかは未知・・・
結果は3ヶ月半後。
でもまずは結果より、

自分の身体への感謝、そして気づきを大切にしながら
地道に続けます。

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4.05.2010

よく遊ぶ。

本日は田中マイコが書きます。

3~5月は、よく遊ぶ!と決めています。
出産前にやりたいことリストを作成し、順調にこなしています。
仕事も変わらず出来ているし、身体も順調だし、

充実した毎日で感謝しています。

先月末、友達のライブに行きました。
ヴァイオリニストSAYAKAさんのライブ!
1月にキューバ遠征から帰って来ました~と連絡をもらい、

サヤカさんのライブに行くことはリストにしっかり挙げていて、
楽しみにしてました。

この日はキューバ音楽がテーマで、
ギター、ベース、パーカッションの方と4人編成。
こじんまりしたブラジル料理のお店にお客さんは満席で、
演奏者との距離も近く、素敵な時間が展開されました。


私は音楽について詳しくないし
キューバのこともよくわかっていないのですが、
そんなことは関係なく、本当に気持ち良かった!
サヤカさんはじめ皆さんが本当に楽しそうで、
音楽を愛してる!と伝わってきます。

奏でられる音たちが合わさって、広がって、訴えかけてきて、
流れに身を任せていると自然に体が動きます。
リズムは独特ですがノリが良く、
最後はお客さんたちも声をあげて腰を振って踊っていました。

3月に入ってお腹の中で子供が動くのを感じるようになり、
最初は液体のような不確かな感覚でした。
ここ2週間ではっきりと固体的に動きを感じるようになり、
より存在をいとおしく思います。
心地よい音と場の中、子供も楽しそうにしていました。
これぞ胎教…でしょうか。

このライブの直前、
とてもお世話になったノースの橋本さんが急逝するという
哀しい出来事がありました。
大切な存在、無二の存在・・・・・・突然の喪失感。
どうしようもできない現実に、
日常生活は普段通りに過ごしつつも
心のどこかで感情は翻弄されていました。

感情から意識を外してくれたのは、
このとき味わった心地よい感覚。
癒しのためとか哀しみを忘れるためとかではなく、
そのときの場に自分を立たせて、感じることで得た
ひとときの安らぎ・・・
感情は、思考より時間より感覚が救ってくれるものでしょうか。
初めてこんなことが頭をよぎりました。

とにかく素敵な夜でした!サヤカさん、ありがとう。

普段会えない友人と会うことも着々とかなっていますが、
私が遠出できない中、関西から友人が遊びに来てくれました。
そして彼女の要望で東京タワーに行き、
エレベーターではなく階段で登ってしまいました。。

約600段、15分ほどでした。いい運動になりました。

                      スカイツリーに抜かされる直前の東京タワー

やりたいことリストには当然入っていませんでしたが、
体育会系としては良き思い出となりました。

まだまだやりたいこと、残っています。
登山(高尾山あたり)
鎌倉巡り
田植え
などなど…

普通に生活していると先送りにしてしまったかもしれない、
やりたいなぁ、行きたいなぁという気持ちを叶えていくこのとき、
多少ワガママを許される?このとき、
満喫させてもらっています。


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4.03.2010

目を向ければ有りうること 6

知人のM君のことを思い出しました。

自閉症のM君は自宅へ帰る途中、
自分の家を勘違いしてしまい、
他人の家のドアを自分の鍵で何度も開けようとしていて、
警察沙汰になったとのこと。

詳細は知りませんが、
住人が怖くなって通報したのでしょう。

確かに普通の恰好している人間が、
自分の家に入ろうとしているのを見かけたら、
どうするだろう?

急にどなり散らすことはないにしても、
警戒心から強張った物言いになるに違いない。

しかし、もし自閉症の人との関わりがあるのなら、
その後のやりとりで「もしかしたら!」
と気づく可能性もあります。

知らなければ、他人が家に乗り込んでくる恐怖に襲われる。

その後、障害者であることを知り、承服するのが
上記のような問題が起きたときの反応でしょうか。
残念ながら・・・

H君の話を聞いたときにM君のことが思い起こされました。
ご両親も色々悩んだ末のことでしょう。
しかし僕のジレンマは中々落とし所が見つかりませんでした。

例えばH君とM君。
M君は双方向的にコミュニケーションをとり続けるのは難しく、
自分だけの世界に入り込むことが多い。
ゆっくりだけど理解する・・・
しかし一般的な仕事をするのは難しいでしょう。
H君は双方向的に会話をし、その場で理解ができる。
単純作業だけれども仕事ができる・・・

共通しているのは成長の歩みがゆっくりだということですが、
H君は勉強をしないだけで、勉強したらどうなるのか?
という見えない部分が多く残されています。

一体そこの線引きを誰がするのだろう?
こっちは障害者でこっちは違いますと
明確な線引きがあるのだろうか?

H君にとって本当にいいことなのだろうか?
深く、重く僕の心に響きます。

さて、H君はちょうど4年生(定時制なので)の夏前に
精神障害者手帳をもらいました。

その後、アルバイトに励み、
タイガもピカチュウも暴れることなく、
自分の貯めたお金でおばあちゃんちに行き、
精神状態どうのというよりも、
楽しく生き生きと生活していました。
セッションの声も弾んでいる。

いよいよ卒業が近付いてくると
H君は就職したいと言ってきました。

以前から就職について
H君は構想を膨らませていたのですが、
H君の構想はいつでも強気だったので、
僕は「それだったら漢字勉強しなきゃね」
と返すのが常でした。

しかしH君は勉強はしません。
一ヶ月くらいすると、また違う構想が浮かんでくる。
そんなやり取りが続いていました。

本当に今後どうなるのだろうか?

実際に卒業も見え始めてきて、
学校でも就職活動が盛んになってきます。

そんな僕の心配も杞憂に終わりました。
実はウルトラCがあった。
H君は企業が採用する際の障害者枠に入れるのです!

少し手こずったようですが、
スーツを着て面接を受け、
卒業を控えた三月、
ギリギリで就職することになりました。

その日、
弾んだ声で電話がありました。

「おめでとう。
これからがスタートだよ」

月並みなことをいい、
高校卒業と共に僕からも卒業しようと切り出しました。

タイガ、ピカチュウには20歳まで声かけすることが
約束なので、それは自分でやればいい。
たまに何かあればその時電話くれればいい。

いよいよ卒業となり、
僕との三年間のセッションもとりあえず幕を閉じました。

この三年間、
想像もつかないたくさんのハプニング起こりましたが、
H君はゆっくりとですが成長したと思います。
しかも思春期という大切なステップを
ある程度は踏み越えた。

ただ、H君にも言ったように、
これからも色々な壁が待ち受けているでしょう。
これまでの人間関係では我がままが通せたことも、
社会では通用しないのですから。

「一人暮らしをします」

当面の目標を聞いたところ、
こんな返事が返って来ました。

楽しい人生を送ってほしい。
そう願ってやみません---


さてさて、僕のジレンマはそう簡単に解決されません。

H君が無事就職できたことはこの上なく嬉しい。
ただ、それが障害者の枠を使ってのことだったので、
もし認定を受けなかったことを考えると、
漢字の読み書きのできない現状、
就職は難しかったかもしれない。

この線引きは難しい問題です。

例えばH君よりも発達が緩やかだけれども、
特にハプニングを起こさない子がいるとします。
こんな子はどうなるのか?

さらに障害者になるかどうか、
親の意向が占めると思うので、
そうなってほしくないと、
認定が下りるケースでも両親が拒む場合があるでしょう。

H君より発達が少し早く、
よりハプニングを起こしてしまうケースは?

考えるときりがない・・・

現実として言えるのは
境界がはっきりとしないだけに
そこにまたがる人たちがいるということです。

同じ状況でもH君のように就職できれば、
認定を受けないことで就職できない人もいる。

そこに現代の影があるような気がしてなりません。

その境を埋めていくのは僕らの役目でしょ!

そんな盛り土的な役割をするのが
周囲のケアや思いやり。

まずは目を向けてみましょう。
このようにごく普通にある話なのですから。

                         おわり

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4.02.2010

目を向ければ有りうること 5

ピカチュウが仲間に加わったものの、
毎日の声かけはうまくいっていた。

不平不満の電話はよくありましたが、
すぐに問題点を一緒に考え、
自分の行動を変化させたり工夫しながら対処したので、
精神的には安定していたようです。

それまでできなかった
岡山のお祖母ちゃんちへ一人旅も達成し、
高校を卒業したら何をしたいかを考えるようにもなりました。

そんな中での事故。
自転車で通行人にぶつかってしまった。
H君の不注意が原因だったといいます。

通行人は少し怪我を負ったようでした。
ただ、H君は慌て過ぎて、うまく対処できず、
結局警察が呼ばれたというのです・・・

この件がどういう経緯で解決されたのか分かりません。
ただ、ご両親が呼び出されたようでした。

あ~、一年うまくいってたのに!
H君の不注意だろうけど、まったく不運だな~。
これがきっかけで変な風向きにならなければいいけど・・・

H君は人を傷付けたことで憔悴していました。
しかしタイガ、ピカチュウは安定していたので、
頭が真っ白になることはありませんでした。

ん~~~、これからどうしよう。
難しい。

ただ、タイガ、ピカチュウへの声かけによる
安定性は感じ取れていたので、
それは今まで通りしっかりやり、
今はこれ以上何かを起こさないように
慎重に行動することを約束しました。
ここは信じるしかない。

それから3か月近く凪ぎが続きました。

むしろ、その間に、
初めて掃除のバイトをすることになり、
お金を得ることの喜び、
そのお金で何かを買うことの自由を味わい、
すこぶる調子は良かった。

ある日、いつもの週一のセッションでふとH君が
「この前、精神障害者手帳をもらいました」
少し弾んだ声で言いました。

「ん?」
あまりの唐突な話だったのでつい聞き返してしまいました。
まるでボールが後ろから飛んできたかのよう。
ショックが全身に駆け巡りました。

H君はその意味を十分に理解していないのか?
いや、これまでのやり取りなら意味を理解できるはず!

そんな僕の葛藤もよそに、
H君はその手帳がもらえることによって受けるサービスを、
明るい声で話してきます。

H君が精神障害者?

内容は詳しくは分かりません。
おそらく発達障害ということなのでしょう。

ただ、僕に映っているH君は勉強をしないだけで、
いつかは漢字が書けるかもしれないし、
数学も分かるだろうと思っていた。

現にマンガはよく読むし、
朝のテレビの内容や誰かの意見を
いかにも自分の発言として生意気に言うし、
誰だか、高校まで漢字読み書きできなかった人が、
大学受験して先生になったなんて話もあったし、
僕はただH君の成長が普通より遅いだけなのだと信じていた。

理解できているし、
ゆっくり聞けば、自分の思い、感情、
自分なりの意見を言うことは普通にできる。

なのになぜ?

手帳をもらうのが悪くて、
もらわないのが良いと言っているわけではありません。

ただ、H君の性格上、
一たびその枠の中に入ると、これ以上勉強したり、
自分の能力を伸ばすことが
疎かになってしまうのではないかと思ったのです。

もちろんこれはご両親の判断でしょう。

何度か警察に呼ばれ、
今後突発的に何かが起こるかもしれない。
そんな不安は常にある。

僕がどう思おうとも、
ご両親の心配は計り知れない。

ただ、突発的な行動の裏には、
自分の話が聞いてもらえないとか、
何らかの動機があったことも確かなのです。

しかも思春期の自己成長過程での出来事。

他にどうにかならなかったのか?

勝手ながら携わった一者として
強烈なジレンマにさらされました。

                     つづく

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4.01.2010

目を向ければ有りうること 4

一年間積み上げてきたものが、
一瞬にして水泡に帰しました。

「脇が甘かったか~!」
タイガとの対話がそこそこ上手くいっていると安心し、
H君とのセッションが緩慢になっていた。

学校にいられるのかどうか、
処分について大きな問題となります。

その夜、本人から泣きながら電話がありました。
一体何があったのか・・・

「分からない・・・
頭が真っ白になって・・・」

「タイガは?」

「大丈夫・・・」

タイガは暴れていないと言う。
一体何が起きたというのだろうか?

とにかく起きてしまったことは仕方ない。
学校の処分については静観するとして、
次に何かが起こらないように策を練らないと。

しかしタイガは暴れている様子もなく、
自分でも何が起きたのか分かっていない・・・

ただ、自分のこれからの境遇について騒がれていて、
とんでもないことをしてしまったという自覚はありました。

タイガの効き目が薄れたのだろうか?
僕にもわからない。

再びタイガとの対話をしっかりすることと、
H君の「もうしません」という誓いにかけて、
セッションを週一回に限定せずに、
いつでも電話するという約束をしてしばらく様子を見ました。

学校の方は何とか猶予が与えられ、
次はないぞということで話がつきました。

その後2,3か月は精神的に安定しているようでした。

ホッと肩をなでおろした時、
また事件が起きました!

今度は駅のトイレで大の方を何度も何度も流し続け、
駅員さんに見つかってしまったというのです。

学校には報告されずに、
親に直接話が行ったので事なきを得たのですが、
僕もこれ以上何をしていいのか
分からなくなってしまいました。

どうやら、その流れるさまを見ているのが
楽しかったようです。

なぜそんなことをしてしまうのだろうか?

タイガは?

「大丈夫・・・
ただ・・・」

「ん?何?言ってみ」

「もう一匹、僕の中で何かがいる・・・」

なるほど、タイガの他にもう一匹いたのか!
すぐに呼び出して、再び外在化をしました。
彼が描いたのはピカチュウ。
これが最近暴れるのだと言います。

それからはタイガ、ピカチュウに朝、夜
声かけをするように言いました。

これで良くなってほしい・・・
願うような気持ちです。

しかも話を聞いていると、
事件が起こる前に、
何やら不満が鬱積していることが分かりました。
特に家族に話を聞いてもらえないことが
引き金になると言います。

フムフム・・・

タイガ、ピカチュウへの声かけと並行して、
不満が溜まっていきそうだと思ったときに、
真っ先に電話するように言いました。
話を聞けば何とかなるかもしれない。

二匹への声かけが功を奏して、
気持ちが落ち着いている状態が続きました。
それでも人間関係で不満がたまるとすぐに電話をしてきて、
僕が一通り話を聞いていくと、
息がゆっくりとなるように、
こころの状態も落ち着いてきました。

外在化は完全に効果が出たようです。
波はあるものの、
頭が真っ白になるようなことは起きませんでした。

この声かけを二十歳になるまでやるという約束にして、
セッションを週一回に戻しました。

上手くいっている。

そんな実感が湧いてきた矢先、
またもやハプニングが起きます。

自転車を飛ばし過ぎて
通行人にぶつかってしまったというのです。

相手は怪我をし、
警察を呼ぶ事態に発展してしまった・・・

                   つづく

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