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4.02.2010

目を向ければ有りうること 5

ピカチュウが仲間に加わったものの、
毎日の声かけはうまくいっていた。

不平不満の電話はよくありましたが、
すぐに問題点を一緒に考え、
自分の行動を変化させたり工夫しながら対処したので、
精神的には安定していたようです。

それまでできなかった
岡山のお祖母ちゃんちへ一人旅も達成し、
高校を卒業したら何をしたいかを考えるようにもなりました。

そんな中での事故。
自転車で通行人にぶつかってしまった。
H君の不注意が原因だったといいます。

通行人は少し怪我を負ったようでした。
ただ、H君は慌て過ぎて、うまく対処できず、
結局警察が呼ばれたというのです・・・

この件がどういう経緯で解決されたのか分かりません。
ただ、ご両親が呼び出されたようでした。

あ~、一年うまくいってたのに!
H君の不注意だろうけど、まったく不運だな~。
これがきっかけで変な風向きにならなければいいけど・・・

H君は人を傷付けたことで憔悴していました。
しかしタイガ、ピカチュウは安定していたので、
頭が真っ白になることはありませんでした。

ん~~~、これからどうしよう。
難しい。

ただ、タイガ、ピカチュウへの声かけによる
安定性は感じ取れていたので、
それは今まで通りしっかりやり、
今はこれ以上何かを起こさないように
慎重に行動することを約束しました。
ここは信じるしかない。

それから3か月近く凪ぎが続きました。

むしろ、その間に、
初めて掃除のバイトをすることになり、
お金を得ることの喜び、
そのお金で何かを買うことの自由を味わい、
すこぶる調子は良かった。

ある日、いつもの週一のセッションでふとH君が
「この前、精神障害者手帳をもらいました」
少し弾んだ声で言いました。

「ん?」
あまりの唐突な話だったのでつい聞き返してしまいました。
まるでボールが後ろから飛んできたかのよう。
ショックが全身に駆け巡りました。

H君はその意味を十分に理解していないのか?
いや、これまでのやり取りなら意味を理解できるはず!

そんな僕の葛藤もよそに、
H君はその手帳がもらえることによって受けるサービスを、
明るい声で話してきます。

H君が精神障害者?

内容は詳しくは分かりません。
おそらく発達障害ということなのでしょう。

ただ、僕に映っているH君は勉強をしないだけで、
いつかは漢字が書けるかもしれないし、
数学も分かるだろうと思っていた。

現にマンガはよく読むし、
朝のテレビの内容や誰かの意見を
いかにも自分の発言として生意気に言うし、
誰だか、高校まで漢字読み書きできなかった人が、
大学受験して先生になったなんて話もあったし、
僕はただH君の成長が普通より遅いだけなのだと信じていた。

理解できているし、
ゆっくり聞けば、自分の思い、感情、
自分なりの意見を言うことは普通にできる。

なのになぜ?

手帳をもらうのが悪くて、
もらわないのが良いと言っているわけではありません。

ただ、H君の性格上、
一たびその枠の中に入ると、これ以上勉強したり、
自分の能力を伸ばすことが
疎かになってしまうのではないかと思ったのです。

もちろんこれはご両親の判断でしょう。

何度か警察に呼ばれ、
今後突発的に何かが起こるかもしれない。
そんな不安は常にある。

僕がどう思おうとも、
ご両親の心配は計り知れない。

ただ、突発的な行動の裏には、
自分の話が聞いてもらえないとか、
何らかの動機があったことも確かなのです。

しかも思春期の自己成長過程での出来事。

他にどうにかならなかったのか?

勝手ながら携わった一者として
強烈なジレンマにさらされました。

                     つづく

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3.31.2010

目を向ければありうること 3

タイガの効果は抜群でした。

週一回の電話セッションが始まり、
「タイガの様子はどう?」
と聞くと、
「だいぶいい感じです」
と返って来ました。

しかし突発的な感情に飲み込まれることが多々ありました。

突然泣きながら、
「お父さんが今月自転車の鍵を買ってくれると言ったのに、
ダメだと言われた」

「夕食後の皿洗いのことで
効率が悪いからやり方を変えろと言われた。
僕は順番があるから変えると皿洗いができなくなる・・・」

「暑いから窓を開けてくれと言われた。
僕は窓を開けると眠れない・・・」

等々。
なかなか無理難題が舞い込んで来ます。

H君はこれと決めたことに執着することが多い。
しかも、その変更を余儀なくされると(特に強引に)
パニックになってしまう・・・

ゆっくり泣きやむのを待って話を聞きます。

人がこれと決めたことに対して、
頭から否定することはいいことだと思いません。
儀式的にやっていることもあるだろうし、
誰にでもあるものですから。

ただ、人と生活するにあたって、
その行為が誰かの迷惑になるのだったら、
どこかで折り合いをつけるのが社会での生き方。

ところがH君は歩み寄りができない。
なかなか頑なです。

こんな時はその行為に対する
周りの気持ちはどうだろうか?ゆっくり想像してもらいます。

H君は相手がどう思うか、
どういう気持ちになるかは、きちんと分かっている。

「うん、うん、その皿洗いを早く終わらせないと、
お兄ちゃんが眠ることができないんだね。
それでお兄ちゃんもそういう風に言ったのかもしれないね」

H君と二人で状況を紐といていくと、
そうだったのかと分かることもあるようです。

「じゃあ、どうしようか?」

H君にその行為を
どう皆の気持ちを踏まえながら変えていくか、
いくつか考えてもらいます。

すでに答えがあったかのように、
いいアイディアがでてきます。
それを行動してみて自分がどう感じたか、
周りがどういう反応をしたのか、
次のセッションに報告することで終了します。

大概何事もなかったかのように、
次のセッションではケロッとしていますw
一体あの騒ぎは何だったのかと思わせるほどに・・・

そんなやり取りがしばらく続いていました。

それから1年が過ぎ、
タイガとの関係がうまくいっているなと、
安堵していた矢先、
再び事件が起きます。

万引きが見つかった・・・

学校に知られ、大きな問題に発展していったのです。

                    つづく

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3.30.2010

桜の開花を待たずして

さすがに堪えました。

3月26日早朝、
ノースの橋本さんが病気により急逝しました。

突然の出来事によって
こころのキャンパスが真っ白になり、
ただ、呆然と現実を眺めているような、
半分起きて、半分寝ているような状態で
昨日の告別式を迎えました。

僕は自分の存在は人との関係性によって
カタチづけられると思っています。
僕にとって橋本さんは
僕の存在を証明してくれる重要な人でした

出会いは僕が20歳前のころ。
ですから17,8年というお付き合いになります。

僕が26歳から28歳まで断続的に、
ノースでバーテンをさせてもらいました。

一回り以上歳の差があるのに、
受け入れの器が大きく、
僕の未成熟で生意気な意見でも、
ちゃんと聞いてもらえているという実感がありました。

これまで、どれだけ多くの相談を持ちかけていたのだろう!

表面的にクールでいながらも、
内面は日本の行く末、人間の将来を憂い、
そこに対して自分のできることを自問している、
とても熱い人でした。

「現状、何ができるか?」

これは橋本さんの問いであり、
僕の問いでもあります。
そこが共有してあったので、
近い将来がとても楽しみでした。

お互いのできることをやろう。
それが合わさればいい・・・

暗黙の了解・・・

僕にとって安心できる、 稀有な存在。

橋本さん、本当に今までありがとう。
橋本さんのスピリットは僕の中で生き続けます。

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2.26.2010

やりたいこと

温泉旅館やりたいです。

こころ、からだが癒され、
本来の自分を発見し、
その中心を保って生きていけば人生最高!
これくらいの気づき、
生まれ変わりができるような場。

当然、施術メイン。

温泉で湯治。
畑で採れた野菜、里山で採れた山菜などで食養。
里山でウォーキング&精神保養。
ガラス張りのスタジオで気功、ヨガ、呼吸法などをレッスン。
田んぼ、畑作業で身体作り、自然と合一。
陶芸などアートもやりたいな・・・
時期のモノ(梅干し、味噌等)を手作り。
年一回の祭り&相撲大会w

ここで書いてきた全てをぶつけたい。

そうなると旅館とは別にNPOを立ち上げる必要があるかも。

老若男女、全く壁がない形で誰もが参加できる場にしたい。
じいちゃん、ばあちゃんの知恵を
若者が教えてもらえるような・・・
もしくは子供の面倒を見てくれるとか・・・

晴れる屋のように、
知的障害者、身体障害者などを雇い、
そこに来た人達と交流できるような場。

フリースクール、山村留学のようなものもやりたいな。

そこにいる全員による学びの場。

閉じた系ではない、
開かれた、社会の縮図のような・・・

和を再発見し、新しい形の繋がりかた、
社会コミュニケーションを創っていくような場。

自然を畏怖し、
他者への思いやりを育てる場。

何だか分からないけど微笑んでしまう雰囲気。

やっぱり人間、最高だな~
ってポカンと口を開けてしまうような、
心の奥底に触れっぱなしの時・・・

そんなものを演出したい。
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11.26.2009

玄 結果!

「身体ボロボロですが、歩けます。
 とにかく生きてます。
 心も折れてません・・・」

玄からのメール。

RACE MIKE 320でリタイアとのこと。
身体が動かせなくリタイアなのか、
バイクがクラッシュしてリタイアなのか
メールからは読み取れませんが、
完走という目標は達成できなかったようです。

地図で、320というポイントを探ると、
だいたい半分手前での断念だった模様・・・
一昨年のチャレンジよりは歩を前に進めたようですが、
やはり完走の壁はとてつもなく高い。
エントリーした日本人も全滅だったと言います。

水に飢えた砂漠。
雲一つない、抜けるような青空。

寝ずに走っていると
そんな単調な景色に、
いつしかトランス状態に入っていく。
それまでスラロームのようによけていたサボテンが、
ついには人に見えた・・・

一昨年の感想です。

玄の旅はまだまだ続きそうです。

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11.20.2009

玄 今夜リベンジ!!!

今朝、玄より電話がありました。

今回またがるのは
ホンダCRF450
今回初めて乗るじゃじゃ馬。
(単気筒、水冷で車体が軽いですからね~
突進力はとてつもないと思います)
慣れるのに少し時間がかかった様子。

ただ、プレランという、
本当のコースを試しに走れる期間があり、
本番さながら試走したところ、
だいぶ一体化したと言います。

しかし本番前にコケテしまうことも
よくあることらしいので、
無事スタートラインに立てることに
まずは一安心といったところ。

さて、玄のスタートは今夜25時半ころ。
つまり明日の0時30分ころ。

目標は達成できるのでしょうか!

ゼッケン 275x
Tatsushi Asaga
http://irctracking.com/2009/Baja1000/

たぶん、ここでGPS中継されると思います。

ひまでしたら追ってみましょう!

Good Luck!


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11.11.2009

リベンジ 2

「まあ、これは男の子の遊びだからな~」

カァーっと見開いた眼は、
遠くバハの乾いた砂漠を見ていたのだろう。
口元には不敵な微笑みがこぼれている。

一昨日の夜、玄に会いに行った。
旅立ちの前日、
身体全体をおおう気の流れは、
まるでショートしそうなほどバチバチと音を立てていた。

「男の子の遊び・・・」
次に視点は上空に移り、
何かを得たかのように二、三度頷いた。

いつまでも男の子のママだとダメなんだ
 大人の男の子の遊びにしないとな・・・
 そうだ、大人の男の子だ」

「・・・・・・」

僕とカミさんは無言のまま頷きつつ
頭の中では
(じゅうぶんにいい歳なのでは?)
と言葉がよぎった。

でも、気持ちが分からない訳でもない。

そもそも、男が大人だと思う年齢の基準なんて曖昧だ。
10代だった頃、30代は大人に見えたし、
その頃には知識や経験から
人間としての徳を備えていると思った。

そして30代になり、
それは30代から見る大人像が
どんなものかに置き換わっただけになった。

大人の先延ばしとも言えるし、
立派な大人像がより高度なものになったとも言えるw

FOREVER YOUNG
ボブ・ディランの名曲。
まさに玄はこの曲を体現している。

「今回のコースはより危険が伴う・・・
 どこかに消えたら、骨を拾いに来てくれ」

相変わらず冗談とも本気とも取れないことを言ってくる。

「ああ、もちろんさ。
 たとえ玄が骨になっても俺はお前だって一発で分かるから。
 俺はお前を腰で見分ける!」

そう、腰痛持ちの玄、
その腰は以前「入っていない」と書きました。

僕は何度も玄の腰を触らせてもらい、
骨格がどのようになっているか良く分かっています。
どんな検視官よりも早く見分けることでしょう。

「そんな時はバキバキって腰入れてやるから!
 それで成仏できるだろ」

「うぉ~!いいね~」

いつもの調子です。
バハの風を切り裂いてきてほしい。

「日本一周から俺はまだ続いている・・・」
玄は言う。

1999年の夏。
玄、リュウジ、僕の三人はモトクロスバイクで
日本一周の旅を共にした。

それは僕らにとって熱く、
強烈な出来事の連続だった。

しかしその年、僕は事故により
バイクにまたがることをを断念した。
リュウジも同じような理由でバイクから距離を置いた。

それからというもの、各々の人生観、
旅の形、興味の対象が大きく変化し、
会うことも少なくなった。

あれから10年・・・
玄はいまだ路を求め、
走りのフィールド、
遊びのフィールドを、
“日本”から“地球”にシフトして、
大人の男の子の遊びを究めようとしているのでした。

思いきり地球をかっ飛ばしてくれ!

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11.01.2009

リベンジ

「さっき決めた。またバハに行くぜ」

昨日の夜遅く、玄(仮名ねw)から電話があった。
力強い物言いに何事かと思ったが、
それは今一度チャレンジするという、
決意の現れだった。

思えば一昨年。
無残にも砕け散った、リタイアという汚名。

帰ってきて、
いつかまたやると熱く語っていた。

著名なパリダカレーサーを父に持つこの男。
生まれた時から大きな荷を背負っているのだろう。
大きければ大きいほど反骨が生じる。
それは本人が一番分かっているのかもしれない。

11月20日
本戦が始まる。

11月10日に日本を旅立つ。

そんな大舞台を10日前に決断するこの男・・・
出会ったときと何ら変わらない。

もちろん虎視眈眈と機会をうかがっていたのだろう。
しかし決めたという、その言い方は
まるで一泊二日で旅行に行くかのよう。

目的ははっきりとしている。

完走

ゴールを目指し、ひたすらアクセルを開ける。
「今回は抑え気味で行く」
なんて言っているが、
一たび砂漠をタイヤが噛めば、
黙っていられないだろう。

やってください。
とことんまで。

30代後半。
こういう仲間がいることで
自分の内側にある灯に油が注がれるのです。


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10.21.2008

Mr.Zooker さん再び!

半年振りにZookerさんに来ていただきました。
http://neo-activism.blogspot.com/2008/04/mrzooker.html

ロマニストとして紹介しましたが、
巨大な影に立ち向かう戦士でもあるZookerさんに、
私の今後について助言をしてもらいます。

以下は私(K)とZookerさん(Z)の対談となります。

K:「お~、チェ・ゲバラですね。そのTシャツカッコいいな~」



Z:「俺の心の師だ。最後の革命家だな」

K:「最後の革命家?」
Z:「そうだ。今後革命家が世の中に出てくることはない」
  
K:「へ~、それはなぜですか?」
Z:「それは、分断、分解で創られてきた人間の歴史が
  新しい局面に入っているからだよ。解るか?」

K:「ちょっと解りづらいですね」
Z:「その新しい局面は時代に敏感でないと見えないだろうな。
  しかし、現状、世の中が行き詰っていて、
  多くの人間が先行きに不安を感じているのは
  いくら鈍い人間でも解るはずだ。
  
  原因はな、分断よ。大きくは戦争、紛争に始まり
  身近では公園にたむろするお母さんたちに見られる、
  ほんの少し意見の違う他者を、
  まるで違う星の住人かのように分断してきたのが第一。
  
  そして分解。
  科学があまりにも幅を利かせ、『自然と人間』
  『こころとからだ』『科学と哲学』など大きなものから
  細部にわたってカテゴライズし過ぎたんだな」

K:「つまり、新しい局面とは分断、分解されてしまったものを
  繋ぐことにあるのですね」
Z:「イェ~ス!!!


  勉強してるじゃないか!
  そのとおり。ベクトルは調和、統合に向かっているのだよ。
  だから、革命だの、戦争なんかやってる限りは今のまま。
  より分断され、同じ所でクルクル回ることになる。
  だからもう革命家は生まれないのじゃ」

K:「なるほど~
  ところでZookerさん、私も意を決しました。
  あなたのように影の戦士になりたいのですが
  どうすればいいのでしょうか?
  私のブログはいかがですか?」
Z:「あ~、ブログ?
  硬い硬い!硬いな~、もうカチカチ!」



K:「そ~んなに硬いですか?
  ど、どうすればいいのですか?」
Z:「Tricksterだな」

K:「Trickster?」
Z:「トリックスター、神話などに登場するイタズラさんだ」
  
K:「イタズラさん?」
Z:「ああ。お前の中に眠るトリックスターが
  『出してくれ、出してくれ』
  って叫んでいるのが聞こえるよ。こいつを解放して、
  万事お前の行動の一番手に持ってくることだ」

K:「トリックスターを一番手・・・」
Z:「そうだ。野球で言うなら一番バッターだな。
  ボテボテでも振り逃げでも、な~んでもいいから塁に出る。
  全てはそこから始まるのだよ」



K:「ほ~、何だか解らないけど、やる気になってきましたよ!
  まずはどうすればいいですかね?」
Z:「そうだな~・・・
  まずはドン・キホーテを読むことだな」

K:「はいはい、それを読みましょう」
Z:「後は・・・
  スキンヘッドだな」

K:「はっ?」
Z:「剃るんだ。素っ裸になるのだ。
  人はまずお前の頭を見る。次に目を見る。
  その時点でごまかしはきかんのじゃよ。ふっ」

K:「『ふっ』って人ごとじゃないですか!
  それじゃ、お坊さんですよね」
Z:「いや、現代修行だよ」

K:「そ、それを言われちゃ・・・」
Z:「名づけてニュースキン」

K:「それ化粧品です!」  

Z:「御免なすって」

影の戦士になるには、やるしかないのか・・・  


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4.09.2008

ロマニスト Mr.Zooker 1

先日ロマニストの募集をかけたところ、
http://neo-activism.blogspot.com/2008/04/blog-post_06.html

早くも連絡を頂き、
「俺の夢はでかいぞ!」
と豪語する人がいたので、すぐに家に呼んで面接をしました。

履歴書を見ると、
学歴、経歴欄が二、三行で終わっていたので、
一次試験は通過です。

名をZookerさんと言います。
人知れずひっそりと生き、活動しているとのことなので、
顔を見せてもらえません。

以下は私(K)とZooker(Z)さん
のインタビュー形式になります。


K: 「こんにちは~、早くも名乗り出ていただき、嬉しいです」
Z: 「はい、よろしく」



Z: 「ところでこのピンマイクでかくないか?」
K: 「ゴメンなさい、これしかなかったもので…」
Z: 「しかたね~な」



K: 「早速ですが、ロマニストとしてZookerさんの夢とは
   何でしょうか?」
Z: 「でかいぞ。宇宙人だ。世の中全ての人間を
   宇宙人に変えることだ」
K: 「それは確かに大きい。だけど分かりにくいですね。
   全員宇宙人になるとどうなるのですか?」
Z: 「垣根がなくなるということだよ。取る取られるがなくなる。
   そんな社会想像してみなよ」



K: 「桃源郷のようなところですか?」
Z: 「宇宙は桃源郷だ。宇宙の一部である地球も
   桃源郷なんだけどな。勝手に極楽がどこか
   遠くにあると思い込んでいる。実は足元にあるんだよ」
K: 「ん~、分かるような分からないような。
   そんな世界を実現させようとしているのですね。」
Z: 「まっ、そういうことだ」
K: 「では、どのように実現していくのですか?」
Z: 「戦いだ」



K: 「戦うんですか?」
Z: 「そうよ。俺はメキシコ人のオヤジの血を引いてな、
   子供の頃からオヤジに『一番大きいもので、
   一番強いものと戦え』と言われて育った」
K: 「一番大きなもので、一番強いもの…」
Z: 「一昔前なら、チェ・ゲバラのように
   アメリカ帝国と戦っていただろう」
K: 「それはでかいですね~」
Z: 「しかし、時代が変わった。情報が洪水のように溢れ、
   小さくは、よく見えるようになり、
   大きくは、不可視になりつつある。
   単純なものの見方は道を踏み外す」  
K: 「それでは一体何と戦うのですか?」  
Z: 「一番大きく、強いものは、己の内にある。
   エゴ。それがそうだ。一人だと小さく、
   集団になるととても厄介で、大きく、力を持つ」
K: 「なるほど、集団のエゴ、これと戦っていくのですね」
Z: 「そのとおり」



K: 「しかし、その目に見えない戦いは
   勝利が見えにくいですね」
Z: 「世界の紛争が消えていく時だな」
K: 「これまた大きい」
Z: 「実は俺だけがこれをしようとしているのではなく、
   世界に潜在している多くの人が取り組んでいるのだよ」
K: 「それでは具体的にどんな戦いなのでしょうか?」
Z: 「これは俺の奥義だ。実践してやろう」











K: 「それ、いきなり人にやったら
   捕まっちゃうんじゃないですか?」
Z: 「当たり前だ!俺の影がやるのだ。俺の影が、
   影に向けて戦いを挑むのだ」 
K: 「…」
   
面白い人ですが、ごくたまに登場してもらいましょう。

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4.06.2008

ロマニスト 

十代は結局何も考えていなかった。
ただ、レールの上を走りたくなかった。

二十代前半は旅が全てだった。
社会に背を向けて、自己を追求した。
世の中が間違っていて、
自分に忠実であれば必ず導かれると思っていた。

二十代後半から孤立感が深まり、
社会からの風圧でボコボコにされ、
旅の終着点がどこなのか、さっぱり分からなくなった。
いよいよ、常識を食べていかないと
生きていくことができないのか。
悶えに悶えた。

三十代前半
外に向いていた戦いは内向きになり、
奥底まで覗いた。
ジメジメとした薄暗い洞窟の中、
果たして出口があるのだろうか?方向を見失った。

嗅覚だけを頼りに、どうにか這い上がった。
ようやく陽の光を浴びた時、

「やっぱり、夢追いかけるしかね~」

こう思った人、あなたはロマニストだ!

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11.25.2007

ロマニスト 玄 14  結果!

玄よりL.Aから電話がありました。
その声は充実感がありましたが、
しかし跳ねてはいませんでした。

結果発表します!

630マイルにてリタイアでした。
残念!
三分の二まであと少しのところ。

実は最初の70マイルくらい行った所で、
時速120キロを出していてクラッシュしたそうです。
まだ残り1000マイル以上。
左手、右足首、右膝を負傷しました。

さすが玄。ここで止める訳にはいかない。
右足首はかなり致命的だったそうですが、
とにかく走り続けました。

しかしチェックポイントの閉鎖時間をギリギリで通過するようになり、
走ることにこだわり続けるとサポートの人達に
迷惑をかけてしまうとの事から、
自分の判断でレースを断念したそうです。
エンジンをスタートするためのキック(右足)もままならない状態。
相当悔しかったでしょうね。

アドレナリン放出で痛みを忘れていたのでしょう。
支え無しでは歩けずに、ただ今、松葉杖状態。
骨は折れていないようです。
しかし無事で何よりです。
何せ今回のレースでも亡くなった人がいるそうですから…

よくぞここまでやりました。
ナイスランです。

何よりも今後の玄の生き方が楽しみですね。

写真です。かなり臨場感ありますよ。

http://homepage.mac.com/ykamata22/PhotoAlbum5.html

11.10.2007

ロマニスト 玄 XR650




玄さんよりLAからメールが届きました。

マシンが手元に来たとのこと。
かな~りいかしています!

ホンダXR650
本田技研の単気筒エンジン(燃やす部屋が一つの意)。
日本車でありながら、
アメリカ西海岸で育った荒野向けバイク。
ほとんどアメ車ですね。

通なバイク屋だとハーレと一緒に売っていたりします。

かくいう私もXR400に乗っていました。
北海道の林道を疾走したのを思い出します。
とてもいいバイクです。

玄は昨日Mexicoに発ったそうです。
PCが使えれば近況を知らせてくれるとのこと。

しかしこのバイク最高にカッコいいですね~

10.29.2007

ロマニスト 玄 12

玄の話はこの回で一息つきます。
レース後に結果をお知らせします。
楽しみ!


阿波を経て九州に入った後も
玄の腰は入っていなかったらしく、
ことあるごとに顔をしかめ、腰を強引にひねっていました。

リュウジと私はそんな玄の痛みも露知らず、
「それ入っているから、やめたほうがいい。」

玄にはストレスだったことでしょう。
ついには、うるさく言う私達の前ではやらなくなり、
ふと鏡で後ろを覗くとバイクの上で腰を入れていました。
それだけ悩ましい腰…

痛みとは他人には解らないものです。

何の因果でしょうか。
時が経ち、私が痛みを経験し、
整体の仕事につくようになりました。

玄の体を診させてもらうようになりました。

やはり玄の主訴は腰です。



声が出ません。

普通体を横から見ると背骨はSを描いていて、
背部は凸、腰部は凹となっています。
それが頭の荷重を分散させているのです。

玄の背部は前に出ていました…
腰部は後ろに…
しかも腰椎三番の左が腫れているではないですか!

その腫れは、
仕事がハードで忙しかったりすると、
炎症しているのか、大きくなり、
普段は普通の腫れとなって一向に小さくなりません。

「これが引っ込めば、入るんだ。」

その言葉に人の苦悩について、
理解してあげられなかった自分を知りました。


断言します!
玄の腰は入っていません!

満身創痍
ここまで私がしつこく腰の話を引っ張ったのも、
これが言いたいがためでした。
このレースでのいくつかの戦いの一つに、
腰の痛みがあります。
どうにかもたしてもらいたいものです。

玄の魅力。
目の奥から発する光のようなもの。

細かく、どこがイカしているとかないんです。
ただ気になる存在なのです。

いい走りをしてきてもらいたい。
それのみですね。

          次回は玄の結果をお知らせします
          壮行会遊びに来てくださいね。

10.28.2007

ロマニスト 玄 11

来週月曜日、11月5日に出発となった
玄さんの壮行会をします。

今一番勢いのある男、
ついには出費が重なり、一日三ケタの賭けとなってしまった男、
(二日で…本人は「完走しないとまじでヤバイ」と言ってます)
腰に爆弾を抱える男、
うまくないチャーハンおかわりする男、
歯痛をマッサージで治そうとする男、
レースの仲介役のLAに住む人に大金を払っているにもかかわらず、
PCの扱い方や、連絡が取れないかどで怒られ、
普段ならキレているのに、
全て水に流すわけにいかず低姿勢でひたすら耐えている男!
ふぅ~~~!

この男、魅せてくれます。

玄を知っている人、知らない人、

拝んでおきましょ。

場所: 私の家
日時: 11月3日 大体18時半から
料理: 大体2千円以下に抑えます
お酒: 各自持ち込みで (焼酎は結構あります)

参加の方は電話、こころの月メールなりでお知らせください。

*カンパも受け付けています。

10.26.2007

ロマニスト 玄 10

「いや、おめら~にはわかんね~んだよ。入ってね~んだ。」

腰痛は専売特許と一歩も引きません。

玄に痛みの災難は続きます。
阿波踊りを見ようと徳島に入った当日、
急激な歯の痛みに襲われました。

長期間育てていたらしく、
その痛みとの激闘ぶりは、見ているこちらも苦痛でした。

正露丸を詰めてみたり、

根治水を塗ったりしましたが一向に効かない。
玄は右手で頬を押さえ、鬼の形相と化していきました。

「歯の痛みは、この腰が入ってないことからだ。全ての原因は腰だ。」

痛みで宇宙空間へでも行ったのか。

阿波では祭りの匂いがぷんぷんして、
人々の高揚が感じられました。

私達は玄にこのままだと祭りを楽しむことができなくなるので、
歯医者に行くように勧めます。

所持金は底が見えてきましたが、
それどころではないでしょう。

強く説得すると、玄はガバッと立ち上がり、街中へ消えていきました。

一時間後、右手で頬を押さえているものの、
幾分さっぱりとした顔の玄が戻ってきました。

詰め物でもしてもらったのでしょうか。

「いや~、やっぱり腰だったぜ。

マッサージしてもらったら、痛み飛んだ。」

腰?マッサージ?

なけなしの金でどこ行ってるんだ!

私達は返す言葉が見当りませんでした。

                    つづく


*玄は来月11月5日に旅立ちます。
 そんなロマンに多大なお金をベットした彼に、
 カンパを募りたいと思います。
 間接参加で楽しみましょう!
  

10.23.2007

ロマニスト 玄 9

玄は腰に爆弾を抱えています。こんなエピソードが…


「チッ!」

玄は日本一周が始まってすぐの青森あたりから、
ことあるごとに
しかめ面をし、少し怒気を含んだ口調で、
「腰が入ってね~んだよ。」

と言い放っていました。

腰が入らない?

リュウジと私はその意味不明な言葉をしばらく聞き流していました。
玄は腰に手をやり、右に回してみたり、左に回してみたり、
いろいろ動かして、
最後に唾を吐き捨てるように、

「チッ!」
とやる。
いつも納得いかないらしい。

その後、長いバイクの旅で、
痛みの来る周期が狭まってきたのか、

「腰が入らね~。」

と何度も言いました。
目は血走り、言葉は尖り、額に血管が浮き出ています。

そして次第にアクションも大きくなっていく。
右に上半身をひねり、次に左をひねって、
一気に大きく右にひねった!

「バキバキバキ!」
耳に響く強烈な音。

しかし玄は口を真一文字にし、爪楊枝を使った後の、
「シーッ」
をやり、首を横に振った。

入っていないのか!

見るに見かねたリュウジと私は相談して阿波に来る直前に、

「それ、入ってるでしょ。」
と玄に言いました。

「いや、おめ~らにはわかんね~んだよ。入ってね~んだ。」

                    つづく

10.19.2007

ロマニスト 玄 8

295

きっとラッキーナンバーでしょう。
玄のゼッケンが決まりました。

そして今回のコースが決まりました。

http://www.score-international.com/

ここのcourse map を開いてください。
結構グネグネしていますね。
走行距離2050km!

あと三週間になります。

昨日電話で話しましたが、
さまざまな戦いが待っているようです。

まずは精神的な戦い。

おそらく二日以上眠らずに、デコボコ道をガンガン走ります。
二輪は生身。
少しでもコケようものなら、まさに命取り。
気は抜けません。

下から突き上げる、コンスタントな振動を長い間受けていると、
一種のトランス状態に入り込むことが予想されます。
始めはいいでしょう。
しかしそれが二日目に突入した時に眠気とあい交じり、
すぅっーと吸い込まれるように、あちらの世界へ…
顔をブルブル振って、
「いかん、いかん」
とこちらの世界に戻す戦いがあるのではないでしょうか。

そして肉体的な戦い。

ハンドルをにぎる指が
痙攣してしまうことがあるそうです。
左指はクラッチを操作するのでいち早くつる。
右手はアクセルがひねることができなくなる。

ラフな道にハンドルを取られないよう、
常に押さえつけていないといけないので、
両腕が笑ってしまう…

しかし、ここ何年か玄の身体を
整体で見させてもらっているかぎりでは、
玄の持病、腰との戦いも待っているように感じられます。

玄の腰、こんなエピソードがあります。

                つづく

10.13.2007

ロマニスト 玄 7

玄の仕草は、最初の泥棒コントがまだ続いているようでした。
まるで本職かのように振舞います。

指紋を残さないため、
戸を開けるのも、ドアノブをひねるのも、
いちいちTーシャツを伸ばしてその上から慎重に触っていきます。

腰を低くしてなりきっている姿に、
笑いが止まりません。

いわゆる〝不法侵入″のはずなのに、まるで緊張感がない。  

ブレーカーは室内にありましたが、落ちていなかったようでした。
悩ましい。 

もう一度ボイラー室に戻ります。

ふとドアの内側をみると三十センチくらいの
大きなレバーがあるではないですか!

OFFを指していた。  

「これだ!」  

ONにレバーを持っていくと  
カッカッカッカ ボォッフ!  
ボイラーはまるで生き物のように起きだしました。

確信を得た私たちは風呂場の方へ小走りで行き、蛇口をひねった。  
すばらしい、適温!  

ちょうど日は落ちかけていて、空を濃いオレンジに染めていく。
目の前には入り江があり、その先には大海が広がっていた。

窓という窓を全開にして、
貸切りの半露天風呂状態にしてその湯を頂きます。  

なんて気持ちいいのだろう。  

温まったら建物の外に出て、
程よく冷めたら湯に浸かる。
何度も繰り返しました。

日は完全に落ち、かすかに残光をとどめて名残を惜しんでいました。

辺りはだいぶ暗くなりましたが
私達はここを離れることができずに、
ロウソクをつけてまで居座りました。  

見つかったときのコンセンサスは、
「ひたすら謝るしかね~な~」(裸で)
でした。


玄の素早い動きから始まった
“盗み湯”
この思い出は一生消えることがないでしょう。

ロマニスト 玄 6

見事に男湯の湯船が目の前にありました。

蛇口をひねります。  

二、三分待ちましたが、なかなかお湯が温まりません。
これは温泉なのでしょうか?

「こりゃ、沸かし湯ってやつだな。」
「そうか、それならボイラーがあるはずだ!」  

何ともタチが悪い。
止めようなんて誰も言いいません。
むしろ皆の目は、
なんとしてでも入ろうという執念で燃えていました。

そしてついに建物の奥に、
野外トイレの大きさのボイラー室を発見したのです。

「こっ、これだ!」
ボイラー室に鍵はかかっていなかった。
しかし肝腎のスイッチが見つからない。

用心してホコリのついたボタンはもちろん触らず、
普段使っている様子の物をいくつか押してみました。

しかしどれも反応しません。

メインスイッチはどこだろうか。
再び三人は考えます。

「こりゃ、ブレーカーが落ちているに違いない。」
 
スタッと玄が立ち、

スルリと建物の中に入り、
ブレーカーを探しに侵入するのでした。

                  つづく