10.05.2007

ロマニスト 玄 4

「チッ」

玄はキムチチャーハンを頬張りながら、納得がいかないらしく
舌打ちを鳴らしました。

それはまだ玄と出会って間もない頃、
夜中に何人かで中華屋に行った時の事です。

「チッ、イマイチだぜ。」

玄の目はもともと大きいうえに、少し怒りが混ざっているのか、
その大きい目を更に見開いていました。
こめかみに血管が浮き出ています。

「ここのチャーハンうまくね~な~。ったくよ~」

そんな雑言をはきながらも、
チャーハンは口にどんどん運ばれていきます。
そして最後の一口をすくい、
口の中に頬張り、

「チッ!」
とやった後、

「おばちゃん、もう一杯!」

えっ?青汁の宣伝?
私は表情も含めた発言と、おかわりとの矛盾に
目が飛び出しそうになったことを覚えています。

こんな感じの始まりです。
しかし、これはほんの序の口に過ぎません。

              つづく

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