11.02.2007

マイノリティーはもう吠えない 5

今日もY君に付き添って歩きます。

そこで少し待ってみました。
すると向こうから小学生4人が歩いてくるではありませんか!

Y君は彼等だと確信しました。

さあ、本番です。

気持ちの準備はできていなかったのでアドリブです。
これは今まで楽しんできたライブの世界、
つまり即興で対処していきます。
アレコレ考えても仕方ない。

呼吸を整え、なすがまま任せます。

Y君を通り過ぎた後、私とY君で板ばさみにしました。

みんな小さい。
小学二、三年生。

「君達、この人を通せんぼしたよね?」

案の定リーダー格が
「知らない」
と答えました。

それなりににらみを利かせて、
「この人がやったと言っているんだけど、どうなの?」
と聞くと、早くも一番年下だろう子が、
「ゴメンなさい」
と謝ってきました。

しかしリーダー格の小学三年生は一筋縄ではいかないようで、
フンと我関せずな様子でした。
私の直感で、この子にターゲットを絞ることにしました。

「名前教えて」

「○×△□」

ここで一つの言質を得ます。

激しく怒るでなく、静かににらみを利かせました。
「この人はね、君達が通せんぼしたことで傷ついたんだよ」
「解る?」
「そんなことしちゃいけないよ」

しかしリーダー格はあまりこたえない感じだったので、
「名前覚えたから。次同じようなことしたら、
親に言うし、学校にも言うから、解った?」

というと、年下の二人がおもむろに泣きだしました。
「ゴメンなさい、ゴメンなさい」

しかしリーダー格はチョロチョロしていたので、
「お前どこ見てんだ!」
と目をギュッと見つめました。

するとY君が重い口を開きました。
普段はバカにされるとのコンプレックスから
無駄な言葉を使わない彼が、

「こんどやったらわかってんだろうな、
もしろうじんとかみかけたら、てをかすんだぞ!」
ゆっくりながら、しかし重みを持たせて…

小学生は聞く準備ができていたので、
Y君が言い終わった後、
「本当にゴメンなさい」
と涙ながらに訴えていました。

この状況がないまま、Y君が言葉を発していたら、
バカにされていたかもしれません。
しかし聞く状況にあった子供には

しっかりと通じるというのがわかりました。

それは声でなく、細胞に響く波動でした。
その波動は大いなる咆哮でした。

今後これを教訓に生きてほしい、

そう願います。

Y君はその後
「さくせんせいこうですね」
と喜んでいました。
Y君の顔が緩みました。

念のため、来週もどうなるか見るつもりです。

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