2.13.2008

現代修行 ~入門編~ 9

アニミズムを辞書で引きますと

~自然界のあらゆる事物は、具体的な形象を持つと同時に、
それぞれ固有の霊魂や精霊などの霊的存在を有するとみなし、
諸現象はその意志やはたらきによるものとみなす信仰。~

太古の宗教観ですね。
森羅万象に霊的存在があり、
今ある私は、
それらの働きによって形作られていると言う事です。
木、石、山、川、それらに魂、ひいては神を見出しお祈りする。
これをアニミズム、大きく捉えると自然崇拝と言えますね。
日本の信仰にもアニミズムの宗教観が色濃く残っています。

汎神論(はんしんろん)と言って、一神教からすると、
神がぼやけてしまい、
しかも人間にも神性を認めてしまうので、
卑下する向きもあるようです。

確かにたまに神社行って、お賽銭投げて祈る姿は、
一神教のように神と契約を結んでいる人たちから見れば、
まるでお金さえ投げれば、人と神が
簡単につながるかのように捉えられてしまうでしょう。

私は山尾三省の本を読んでアニミズムを知ったのですが、
シャーマニズムと同じようにシンプルゆえ心に響きました。

そのような考えを生活に取り入れたい。
しかし、今私は人工物あふれる都会に住んでいます。
例え近くに公園があっても自然とは程遠いものです。

私は懐古趣味でも理想だけ夢見るものでもありません。
引っ越せばいいと言えばそれまでですが、
それも今の状況では現実的ではありません。

ではどうすればいいのか?
勝手にアニミズムの視点を広げればいい。
つまり、人工物にも魂を見出せばいいのです。

いや、実際、人工物にも魂は宿っています。
例えばムンク、ゴッホ、若冲の絵を見た後の
虚脱感は何でしょうか?
ついフェラーリが通り過ぎると見てしまう。
気に入った椅子、バッグ、時計…
物にもしっかりと魂が入っているとしか思えません。
それが良い物か悪い物かは別として…

世の中に必要でないものもたくさんある。例えば原爆。
しかしそれは今後なくしていけばいいし、
環境のことを考えなくてはならない時代では
無駄なものが減ることは間違いないでしょう。
買わなければいいし。
とにかくこの現状ではそれもひっくるめて
認めるのが大事なのではないかと思うのです。
自分がそこにいるのだから。

何だか難しくなってしまいましたが、
現代版アニミズムは自然界の森羅万象どころか、
今ある全てのものに敬意を払うということになります。

0 件のコメント: