4.03.2009

豊って?

「日本という国が豊かなのは日本人が貧しいからだ
 という逆説の成り立つように思える」

フランスの社会学者、ジャン・ボードリヤール

昨日の夕刊に載っていたのですが、
一理あるな~と思いました。

それは一昨日、毎年恒例のこんな記事を読んだからです。
何と世界で第9位
先進国と呼ばれる中では第一位ですよ!

何かがおかしい。

これまでの歴史は、ある意味、貧困を克服するための
様々な戦いだったわけじゃないですか。

飢え、病気、冬の凍え、不完全な住居・・・
もう、殆どの物を手に入れましたよね。

捨てるほどある食べ物。
移動は自由自在。
歩いて1週間以上かけていた距離を、二時間のフライトで。
病気はあるにせよ寿命は延びた。
冬は暖房がある。暖かい。

ああ~、豊だ。

って皆さん、思えていますか?

将来不安、とよく聞きます。
30年後、40年後、考えてみれば不安はありますよね。
それはそう。よく見えないから。
全然見えないものを見ようとするから不安なのです。

50年程前にできた未完成な年金制度。
それ以前の人たちは将来不安を
今の人たち以上にしていたのでしょうか?
どうですかね。

相対的に見て、不完全だけどある年金制度によって、
50年前よりは将来不安は少なくなっていいはずです。
しかし多くの人はそんな実感湧かないのではないでしょうか。
一面ですが自殺者数が物語っています。

もちろん、お金は大切です。
北欧のように福祉が厚ければ将来不安も和らぐでしょう。

しかし、それは単なる技術的な解決策。
本当の解決には至りません。

何が問題なのか。
それは、核家族化、都市化、履き違えた個性化(我良し)、
効率・能率化、不干渉・・・
時代が生んだ社会的なひずみ。
ここに重大なヒントがあります。

僕の考える将来安定。
そう、それは新しい横のつながり、
新しい形のコミュニティーの創造だと思うのです。

その組織の形成の仕方は、まだ見えませんが、
理念は難しくありません。

それは、助け合いです。

それしかないじゃないですか。
みんなが余裕の心をもって手を差し出すしか、
残っているカードがないんですよ。

不安の隙間を埋めるのは多くの金ではなく、
人と人の触れ合いだと僕は考えます。
そこに本当の豊かさがあるのだと。

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