7.12.2009

呼吸法 3

つまり、呼吸をマスターすると
自然のリズム、宇宙と合一することができ、
ぶれない精神を獲得できるのです。

これは素晴らしい!

この域に達したいと、気持ちがはやるのは分かります。

しかし、ちょっと待ってください。

これはあくまでも奥儀です。
深い深い意識の探究が根底にあってこそ、
時間をかけて辿り着けるというものです。

ところが・・・

食事療法にも通じるところなのですが、
理念や哲学性だけに魅せられて、
「これが良い!!!」
と観念的に、無条件に取り入れている人たちが多い・・・

大切なことを置き去りにしてはいけません。

それは身体。
身体感覚、身体の使い方をないがしろにして、
そのメソッドに観念的になると、
いつまでたっても得るものがありません。

例えば食事療法。
数多の療法がある中で、
自分をそのメソッドの枠(フレーム)にこじ入れてしまう。

きっと、
食事療法に「これが絶対正しい」なんてないでしょう。
なぜなら最終的に、
本当に自分の身体にあっている食べ物、食べ方は
その人、個人のものでしかないということだからです。

だから何年もかけて、
さまざまな食べ物、食べ方を思考錯誤して、
身体に聴いてみる他ないのです。

数多の食事療法は指標でしかありません。

「何だかな~」
と思うのは、
食事療法はかなり哲学的力学が働くので、
たまたまその療法が自分に合ったりすると、
原理主義的思考に入り込んでしまうのです。
ここは注意しましょうね。

僕は言いたい。
身体にゆっくりと聴いてみましたか?

呼吸法も、同じことが言えます。
この域に行ってみたい気持ちは分かりますが、
そんな簡単なものではありませんよ。

仏教などの瞑想に用いるあらゆる呼吸法
丹田呼吸
火の呼吸
足芯呼吸・・・

それぞれきっと素晴らしいものです。

しかし、それも身体がうまく使えてからこそできることであり、
身体性をないがしろにしては
無味乾燥なものになってしまいます。

例えば、日常的に猫背で、
呼吸を肺の上部、または頸部でしている人は、
いくら哲学的に共鳴できる呼吸法に出会ったとしても、
深い呼吸ができずに、
いつまでたっても上達しないという
スパイラルに陥っていしまいます。

呼吸法の最初の一歩は、
何よりも身体をうまく使うこと。
それを基礎に次の段階に入ることができるのです。

さて、それでは呼吸において
どんな身体の使い方をすればいいのか?

そのキーに横隔膜があります。

この横隔膜の使い方をマスターすれば、
自ずと基礎はでき上がる。
これは言い過ぎではありません。

横隔膜・・・
焼き肉で言えば、サガリ・ハラミ。
この、不思議な筋肉こそ呼吸において、
かなり大切な役割を担っているのです。

                     つづく

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