12.18.2009

ポジティブシンキング卒業

そろそろポジティブシンキングを卒業し、
次のステップへ行きましょう!

ポジティブシンキング・・・
もちろん後ろ向きに考えるより、
前向きに思考をする方が良いに決まってる。

しかしポジティブシンキングは対処療法にすぎず、
一時的な効果は見られますが、
むしろそれを続けていくと
自分の成長が脅かされてしまいます。

自分の成長に必要なヒントが出来事として現れているのに、
それを自分にとって好ましくないと切り捨て、
ポジティブシンキングしてしまうからです。

将来の不安。
対人関係での怒り。
過去の失敗への恐れ。

一度考えだすと頭はジャックされ、
不安、怒り、恐れそのものになってしまう。
「いけない、いけない」
頭の中から何度も切り離そうと試みるが、
そう簡単には出て行ってくれない。

そこで最後に手段としてポジティブシンキングがやって来る。

楽しいことを考えてそれを頭の中から切り離す。
もしくは楽しいことをして切り離す・・・

しかし・・・
当然不安の芽は明日も芽生えてくるし、
苦手な人とは明日会うし、
失敗は記憶として残っている・・・

それはまるで胃が痛くなり、ただ胃薬を飲むようなもの。
その時は効くかもしれない。
しかしそれは問題の解決に接近したわけではなく、
ただ痛みを切り離しただけ。

問題を解決することは
そんな簡単なことではありません。
しかし、一つ、
ポジティブシンキングを卒業し
次の段階に行くやり方があります。

脱同一化といいます。

頭の中が不安や怒りなどに占領され、
自分がそのものになってまうのが問題なのです。

それはあなたの一部であって、
あなた自身ではないのにもかかわらず、
自分でその色を染め上げてしまう・・・

脱同一化とは同一している考えを外すことなのです。

つまり、それを私の一部だと認め、
距離を持って眺める姿勢をつくりだすのです。

怒りそのものになっているとき、
「ああ、今あの人に怒っている気持ちあるな・・・」
心配そのものになっているとき、
「ああ、あのことについて心配している感じあるな・・・」

このように脱同一化すると、
しっかり自分のこととしてとらえながら、
間を持ってみることができる。

これはフォーカシングの技法の一つなのですが、
今ある社会の問題、すべてに応用できます。
問題を切り離し、無視して、
いいことだけを夢想したところで解決に近づかない。

むしろ自分の一部だと認識し、
包み込むことから解決の道は開けるのです。

全部を受け止めるのではありません。
距離を持って、眺めるのです。

あなたに起こっていることはあなた自身のことなのだから。


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2 件のコメント:

山平宙音 さんのコメント...

この脱同一化って、演劇の理論のひとつであるいわゆるメソッドアクティングの考え方にも似てる、と思いました。自分の感情を客観的に自分と引きはなして、それからまた必要に応じて自分に戻すっていう感じ。

子供の頃、かんしゃくを起こしたりすると女優だった母親が「今、何を感じてるの? どう感じているの? どういう感情なの?」って、今考えるとそれってもろに演劇理論だわ、ってなことをアンジェリーナ・ジョリーが言ってておもしろーと思いました。

kazoo さんのコメント...

脱同一化は、本当の自分がどこにいるのかという、哲学的な問いでもあります。

感情、思考、信念など、いかにも自発的で、私そのものだと思いがちですが、実は文化、教育、イデオロギーなど成長段階で身につけた、ゆがんだフィルターを通っているので、本当の私とイコールではないのです。

だから同一視しないことがまずは大切だと…

インドの哲学者クリシュナムルティーがその点を分かりやすく説明しています。