3.22.2010

目を向ければ有りうること 1

僕らは全体を見ていく必要があります。

情報は恣意的に平均的に流されて、
とても重要だけれども、
社会の辺縁で起きている平均外の出来事は、
あまり目に入らないようになっています。

それらは興味を持って
能動的に関わらないと知りえない世界。
そんな出来事は社会の影に人知れず埋もれていきます。
それはそれで、知らなくてよかったと思うのならば、
いざ自分の身に何かが起きた時、
とても苦労することになります。

いつ何時何が起こるか分からないですからね。
しっかり目を向けることによって余裕が生まれます。

これから書くことはH君と僕の3年間のやり取りです。
これは社会の辺縁で起きた小さな物語ですが、
人知れず埋めてしまうには、
ある種の輝きがあり、
しかしながらとても重く、
く考えさせられる出来事だったので、
皆さんとシェアした方がいいと判断しました。


「H君という少年の話を聞いてくれないか?」
こう友人から持ちかけられたのがきっかけでした。

僕が出会ったのは彼が高校二年生、
つまり17歳のころでした。

最初は小学生か中学生くらいにしか見えませんでした。

手入れされていない坊主頭。
寒い時期なのにTシャツ、半ズボン。
当然、洒落っ気はどこにも垣間見れず、
辺りをキョロキョロ見回して、
落ち着きのない様子・・・

友人は知人を介してH君を紹介されたそうです。

ある日、友人がH君と待ち合わせをしていると、
目の前でH君が警察官に連れて行かれるのに
出くわしてしまったのです

万引きをした・・・

その後、
H君から友人に自分自身をどうにかしたいと相談が来て、
それならばと僕を紹介してくれたのです。
H君は路頭に迷っていた・・・

少年の手助けのため
友人が僕を指名してくれたのは光栄な話ではあります。
頼られているのですから。

なぜだか分かりません。
直感で引き受けようと決めました。
その友人への信頼ももちろんありますが、
将来自分が進むべき方向性も垣間見れたことも確かです。
いずれにせよハードルは高かったのですが、
この出会いの隠された意味の方が重要だと思ったのです。

これは僕にとって重要なミッションとなりました。
僕のやり方によって
H君の今後の人生が左右することも
十分に考えられるやり取りになっていった・・・

最初はとても緊張しました。
その瞬間、瞬間に緊張したのではなく、
「どうにかしなきゃ」と
背中に重くのしかかる責任が
ジワジワと感じられたからです。

人生初めての出来事。
一整体師に何ができるのだろうか?
しかも本来なら、
親、学校、相応の機関で面倒をみることが普通かもしれない。
それが僕に回ってきたのは何か意味がある・・・

                            つづく

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