4.01.2010

目を向ければ有りうること 4

一年間積み上げてきたものが、
一瞬にして水泡に帰しました。

「脇が甘かったか~!」
タイガとの対話がそこそこ上手くいっていると安心し、
H君とのセッションが緩慢になっていた。

学校にいられるのかどうか、
処分について大きな問題となります。

その夜、本人から泣きながら電話がありました。
一体何があったのか・・・

「分からない・・・
頭が真っ白になって・・・」

「タイガは?」

「大丈夫・・・」

タイガは暴れていないと言う。
一体何が起きたというのだろうか?

とにかく起きてしまったことは仕方ない。
学校の処分については静観するとして、
次に何かが起こらないように策を練らないと。

しかしタイガは暴れている様子もなく、
自分でも何が起きたのか分かっていない・・・

ただ、自分のこれからの境遇について騒がれていて、
とんでもないことをしてしまったという自覚はありました。

タイガの効き目が薄れたのだろうか?
僕にもわからない。

再びタイガとの対話をしっかりすることと、
H君の「もうしません」という誓いにかけて、
セッションを週一回に限定せずに、
いつでも電話するという約束をしてしばらく様子を見ました。

学校の方は何とか猶予が与えられ、
次はないぞということで話がつきました。

その後2,3か月は精神的に安定しているようでした。

ホッと肩をなでおろした時、
また事件が起きました!

今度は駅のトイレで大の方を何度も何度も流し続け、
駅員さんに見つかってしまったというのです。

学校には報告されずに、
親に直接話が行ったので事なきを得たのですが、
僕もこれ以上何をしていいのか
分からなくなってしまいました。

どうやら、その流れるさまを見ているのが
楽しかったようです。

なぜそんなことをしてしまうのだろうか?

タイガは?

「大丈夫・・・
ただ・・・」

「ん?何?言ってみ」

「もう一匹、僕の中で何かがいる・・・」

なるほど、タイガの他にもう一匹いたのか!
すぐに呼び出して、再び外在化をしました。
彼が描いたのはピカチュウ。
これが最近暴れるのだと言います。

それからはタイガ、ピカチュウに朝、夜
声かけをするように言いました。

これで良くなってほしい・・・
願うような気持ちです。

しかも話を聞いていると、
事件が起こる前に、
何やら不満が鬱積していることが分かりました。
特に家族に話を聞いてもらえないことが
引き金になると言います。

フムフム・・・

タイガ、ピカチュウへの声かけと並行して、
不満が溜まっていきそうだと思ったときに、
真っ先に電話するように言いました。
話を聞けば何とかなるかもしれない。

二匹への声かけが功を奏して、
気持ちが落ち着いている状態が続きました。
それでも人間関係で不満がたまるとすぐに電話をしてきて、
僕が一通り話を聞いていくと、
息がゆっくりとなるように、
こころの状態も落ち着いてきました。

外在化は完全に効果が出たようです。
波はあるものの、
頭が真っ白になるようなことは起きませんでした。

この声かけを二十歳になるまでやるという約束にして、
セッションを週一回に戻しました。

上手くいっている。

そんな実感が湧いてきた矢先、
またもやハプニングが起きます。

自転車を飛ばし過ぎて
通行人にぶつかってしまったというのです。

相手は怪我をし、
警察を呼ぶ事態に発展してしまった・・・

                   つづく

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