6.11.2008

東北巡礼 3 出羽三山

ここは修験道の東北の巡礼地。

紀伊半島の熊野三山と似たところもありますが、
熊野三山が神話に基づいた在り方に対して、
出羽三山は神よりも仏に根ざしたあり方のように感じました。

本地垂迹(ほんちすいじゃく)
簡単に言いますと、
インドの仏・菩薩が人々を救うために、
さまざまな日本の神の姿となって現れたことをさします。
神仏習合をより理論化したもの、
もしくは仏教優位を理論的に成り立たせたものといえますね。
これは明治に入り、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)
によって逆転してしまいますが…
いかにも日本的な解釈です。

しかしながらここの三山の持っている物語性は
とても興味がそそられます。

まずは国宝、五重の塔。
京都や奈良にあるならば、
「ああ、すごいな~」で終ってしまうのですが、
この五重の塔は羽黒山の中腹、
森の深いところにただ一人、ひっそりとたたずんでいる。
寂しさも感じられず、森の木々と同化しています。



「こ、こんなところに、何故に?」

昔の人の、名付けて、「わざわざここに?建築物」
宗教心の大きさを物語っています。
これぞ山岳信仰。

出羽三山神社で祈祷を受けました。
世界の平和を祈願します。

不都合があり、残念ながら月山には登れませんでした。
幸いなことに出羽三山神社に月山神社も合祀されていたので、
一般的なおまいりはできましたが、納得はいっていないので
月山登頂は夏に再チャレンジです。

神社のすぐ隣にある宿坊
「斎館」に泊まりました。

昔から修験者が利用していたという由緒ある宿坊。
精進料理(魚が入っていましたが)をいただきました。
山形はちょうど山菜の時期だったので、
山の幸をふんだんにいただきました。
素敵なタイミング。

次の日、出羽三山の奥の院、湯殿山神社へ。

それまで三関三渡の考え方、
http://neo-activism.blogspot.com/2008/05/blog-post_28.html

五重塔などで本地垂迹があり、仏教的だったものが、
この湯殿山神社では完全に
日本の原始的な宗教に戻ってしまいます。

湯殿山神社
ここは本殿がなく、ただ巨石(イワクラといいます)が
御神体として祀られているのです。

入り口で御祓いを受け、裸足で入ります。
三メートルほどもあるイワクラ。
その上方から湯が沸き出でてイワクラ全体に注ぎます。
泉質に鉄分が含まれているのかは 分かりませんが、
それによってイワクラはオレンジの濃い茶色のような、
なんともいえない色をしていました。

とても巨大でその存在感は圧巻だったのですが、
周りにお守り等を売る店が
ごちゃごちゃしていたのが残念でした。

五重塔から始まり、
山々を駆け巡り最後に辿り着くのが、ここ湯殿山。
イワクラを拝み、
そこから沸き出でるお湯に脚をつけて、
その長い物語、修行を終わらせていたのでしょう。

出羽三山
奥の細道、さすがに壮大で奥深い。


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