2.21.2009

僕らが守るべきもの

陰極まれば陽に転ず(逆もあります)
つまりマイナスで一杯になったら
必ずプラスに反転するという意味です。

たとえば夏至、冬至。
この時を境にマイナス、もしくはプラスに反転します。

自然界の法則が陰陽の波を交互に繰り返しているのですから、
この世の全てが波の法則に乗っているといってもいいでしょう。

人生山あり谷あり。
人生観においては
ある程度の谷は織り込んでいるようです。

しかし一つ、是が非でも
「谷は許さん!」
としているものがあります。

それは経済活動。

常に右肩上がりでないと、まるで死んでしまいそうな勢いです。

「まあ、まあ、今年は少しマイナスでした。
 こんな時もありますよ」
なんてこと言ったら、即クビ、経営者失格の厳しい世界。

とにかく新しい技術、サービスを産みだし、
特許を取り、高付加価値で売り出す。
そこには一秒単位のし烈なスピード競争が待っている。

時は金なり

誰かに出し抜かれたら何千億、何兆の損失になってしまう!
金が逃げて行く前にどんなことがあってもゲットするんだ!
経営者はこう言います。
それに技術者は応えようとします。
栄誉に向けての強固なタッグ。

さて、ここで大事なものが見落とされます。

本当に世の中にとっていいモノなのか?

今日の新聞にこんな記事が出ていました。
サバがマグロを生む
僕のネタ元の新聞ではないのですが
おおよそこのような記事になっています。

つまり発想は、
今後ホンモノのマグロは漁獲高が減っていき、
魚価が高くなっていく。
それならば人工的にたくさん生産し、
ホンモノより少し安く売れば多くの利益を上げることができる!

これは以前書いたクローン牛の話ともかぶります。

企業側のアナウンスは
「多くの人に安く提供できれば・・・」
というロジック。

マグロ、牛、豚、高価なものは栄養価も高い。
ただでさえ高カロリー摂取で成人病が増えているのに、
より多くこれらを食卓に乗せるというのだろうか?

クローン牛については生産過程で
いまだ多くの奇形が生まれているというのに、
健康に害がないと言い切れるのか?

そこまでして食べる必要あるのかな~

僕は昔の食卓のように、
これら高価なものは、
スペシャルな日にしか食べられなかった子供の頃の思い出
なっていけばいいと思うのです。

日本人はホンモノを食べて、
海外に輸出すればいいでしょ、
なんて考えだとしたら目も当てられませんね。

しかもその新聞には、
「精子と卵からマグロを作る
「ヤマメにニジマスの精子や卵を作らせる
「養殖ウナギにホルモンを投与して卵や精子を作らせる
と書いてありました。

言葉の問題でしょうが、
一流の経済紙において、
ある種、神の領域に大いに踏み込んでしまう、
生命を「作る」と堂々と載せられてしまうのも、
事の軽さを物語っていると言えるでしょう。

問題は倫理観です。
(言っておいてあまりシックリいく言葉ではありませんが)

上向きの経済活動を死守しなければならない、
という固定概念をわきに置いて立ち止まり、
本当に世の中にとっていいモノなのか?
という問いをたて、
僕らが本当に守るべきものを確認する時期が
目の前に来ているのだと声を大にし言いたい。

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3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私は高校生の時、前の年と同じだけ儲けがあったらそれで十分じゃない??って言ったら、成長してなきゃ意味がないんだよ、株式会社は、って言われて愕然としたことがありました。考えてみれば当然なんだけど、それって何かおかしくない?みたいな気持ちをそれからずっと持っていました。

生命の倫理は別にしても、健康に直接関わることを商売にするのは、本当はけっこう難しいだろう、って思います。

匿名 さんのコメント...

あ、いまの匿名はそらねです。

kazoo さんのコメント...

そうね~
株式上場していると、今は四半期、つまり三ヶ月毎に情報を開示しないといけないから大変だと思うよ。まるで三ヶ月で結果を出そう、みたいな風潮。
投資家はそんな短いスパンで株を売買するから同じく大変。

そんなやり方でイチイチ道徳だの、倫理だの考えていると金にならないのかもしれないねぇ。
それは一昔前なら環境にも当てはまったけど、今はブームである意味お金になる…

健康って定義からして、はっきりしたものがないからね~。確かに難しいけど、面白くもありますよ。

ちなみにWHOの健康の定義は
「健康とは身体的・精神的・霊的・社会的に完全に良好な動的状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない」

少し紛らわしいけど、僕的には嫌いではないw