6.25.2009

荘子

以前、僕の社会復帰に於いて
背中を押してくれた貴重な本が二冊あると書きました。

その時に紹介させてもらったのが、
中村天風

そして、もう一冊が荘子(そうし・そうじ)になります。
脳天が強烈に打ち砕かれ、
それからというもの物事の捉え方が大きく変化しました。

タオ・道
いわゆる老荘思想(老子・荘子)の荘子です。

読後、最初に感じたのが、
アナーキー。
知的なパンク。

とにかく常識を疑えと。
常識って何?
礼って?
道徳って?
決まりって?

人間が考え出した小賢しいルールをまず疑うこと。
そこが徹底的に説かれています。

ルール、それは規律を得るために作られた
大切なものかもしれない。
しかし、そのルールを飲み込んで自己として生きるのと、
ルールという枠(フレーム)に自分を合わせ、
自己を消滅させるのと全く違うものになっていきます。

人は自分の内側から起こる声、
刻々と変化する事象に逆らい、
欲や、周りの意見に左右されたり、
フレームに自分を合わせてしまうことが多い。

当然自然の法則に逆らっているので
無理が生じてうまくいかない。

無為自然
為すこと無く、自ずと然り。

タオは人為的にせずに、
自然の流れを見極めて身を任せよと言います。
そうすればうまくいく・・・

それを邪魔するのは常識や欲。
名声なども人を惑わせると言います。

老子と違って荘子が強調しているのは
認知の仕方ではないでしょうか。

例えば
一本の曲がりくねったみすぼらしい木。

人々はそんな木を見て
「なんて醜い木なんだろう」
と言います。

しかし荘子はこう説きます。
「これが真っ直ぐの木だとしたらどうなるか?
 きっと木材として有用だと切られてしまう。
 しかし、この木はこうやって曲がりくねっていることで
 生きのびている」

常識を疑え。
前から、後ろから、上から、下から・・・
様々な角度から一つの事物を眺めると、
また違った捉え方ができる。

障害者という常識。
僕は障害者になるにあたって、
何か高い壁のあちら側に行き、
不利な生活だけが待っていると思った。

しかし荘子を読んだことにより、
また違った角度から現状を捉えるようになり
様々な利点を発見することとなったのです。

完璧などありません。
現状をどう捉えるかで全てが変わります。

幸か不幸か
それを決めるのはあなた次第。

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